予防医療・栄養医学とは

予防医療・栄養医学についてご説明します。

予防医療・栄養医学がどうあるべきかを知識を高め共有するプログラム


当協会が30年以上にわたって積み上げたノウハウを資料をベースに、医師、看護師、管理栄養士などそれぞれの立場で『予防医療・栄養医学』についての認識を提起し、共通認識として知識を高めるプログラムです。
数回の講座を終えると、当協会が『予防医療・栄養医学スペシャリスト』として認定をいたします。

その後の各個人の活動において、『予防医療・栄養医学』を活用または広めていただき、当協会の活動をサポートしていただくメンバーとして活躍いただける講座となっています。


予防医療・栄養医学スペシャリスト講座に興味を持った方へ
『予防医療』を行う場合の基本的な考え方


はじめに


我々”人”という生物は動物であるという事実があります。
しかし、”人”に知恵が授かってからは、病気になったら服薬や治療を受けること等を知り、動物であるという原点を忘れてしまったかもしれません。

動物の原点は自身の力で『動くこと』、『食べること』、『休むこと』ではないでしょうか。
この三つが上手く役立てられていないことが不調を生み出していると、まずは考えてみる必要があります。しかし、この三つは均等の力関係ではありません。



体と食の関係


運動をするための力、そして休養をとり、休養中に英気を養う力の蓄えは食と栄養が足りなければ出来ないはずです。しかし、現在のヘルスケアの中に、『自律神経が乱れることが病気のリスクになる』といって、自律神経の働きだけをアピールし検査で確認しようとする組織も多く見かけます。

このように体のある一つの部分を特定して重要性を提示する文言を良く見かけますが、『自律神経が乱れることが病気のリスクになる』の部分はその通りで、自律神経は非常に大切であることには間違いないですが、体は自律神経だけを管理しても意味がありません。自律神経以外にも体になくてはならない働きも多くあり、お互いに調整し合って体を働かしています。

仮に自律神経だけをみても、その働きには多くの栄養素が関わっていることが今ではわかっています。体の部品ともいえる臓器・器官、ホルモン,神経などをつくる材料は何か?働かせる材料となるものは何か?をまず知らなくてはなりません。それらを全てつくり、働かせるためにも食と栄養が書かせないという原理原則を忘れてはいけません。


ヘルスケアの実情


健康は、体内部品のある一つを論じるのではなくて、ボディ=身体として考える必要生があります。

疾患からみると、ある体内の部品が病んで、その部分を治療する必要性についてはうなづけますが、健康を目的に予防や未病の言葉を使うとするなら、部品を論じるのではなくて、総体的な健康管理が必要なのでは??と考えます。

しかし、現状は医療費財源減少のために、保健外診療を掲げたり病気予防や生活習慣病抑制策を論じていることなど、予防の話題が多くなっている昨今、この状況下と称し、ゲーム感覚の健康管理法や健康グッズが後を絶ちません。また医者も新規に予防を謳った健康分野に力を入れる傾向が現在見られます。

これらが、真の健康管理といえるのか?そして、これらの方法が健康管理に成果をあげ、本当に健康者が増加するのか?人の体はそう単純なものではないし、感覚やイメージで、またファッションブームのように取り扱われてはいけません。


病気の治療と予防は分けて考えよう


病気の治療と予防は分けて考える必要性を感じます。

医師は病気と治療の専門家ですが、しかし果たして予防の専門家なのでしょうか?予防は本人の自己管理と行動変容にあり、対象者は病人ではなく社会生活者であります。そのような対象者により良い自己管理の方法を教えたり、行動変容が起こるまで伴奏し、的確なアドバイスを行いながら見守り、指導する機会や時間が医者にとれるのでしょうか?
また、健康状態を左右するといえる食生活のあり方、栄養状態の状況把握までを行う時間と知識は、専門外の立場で十分な関わり方が可能なのでしょうか?そのための時間があるのであれば、現在の診療に時間をかけたいという声が聞こえてきそうです。

そのために、医師、管理栄養士、薬剤師等の専門家がいるという声が聞こえてきそうですが、病院施設には現にこのようなスタッフがそろっています。しかし、揃ってはいても病気対象者への役割を果たすのが精一杯で、今以上の事を強いるにはシステム上難しいことが多いのではないかと考えています。

また、予防となると自由診療になるため、別途、専門スタッフを勢揃いさせると、健康管理の指導料負担が嵩み、健診費用の高騰に繋がりかねません。実際に自由診療であるから高額な健診費用が当たり前という傾向がすでに見受けられますが、この状況では一部の人しか受け入れられず、真の健康管理の成果にはほど遠いものになりかねません。まずは真の健康管理を求め、その中で成果を上げる事を第一と考えるべきです。


では何から考えたらいいのか?その対策は?


図で示した三つの力関係の底力になるのは、食と栄養だと言う事を強調しています。そして、食は食で1日に3食、1ヶ月で?1年では?今まで何食たべたかを考えてみると、その影響力は大きいと認識すべきではないでしょうか?また、その裏にはダメな食習慣の積み重ねを招いていなかったでしょうか?

こういう事が生活習慣病の原因になっていることが考えられますので、このことで専門家の診察を受けたり薬を使って治療する事は、実はおかしいというと気付いてほしいです。自身の問題ではないか?ということに。

このような生活習慣病の背景を理解したら、今後見なければならない先が見えてくるのでは?と考えます。


日本初の試みであるスペシャリスト育成講座の内容


それを支え、サゼッション(示唆・提案)できるように専門家は力を発揮してほしいと願っています。

その専門家には医の専門家、食の専門家、薬の専門家、運動の専門家等が関係してきます。しかし、ある一つの専門家が行おうとする場合は、現状とは変わりません。または作業分担で行おうとする場合も現状とは何ら変わりません。予防医療の現場でオールマイティな力を出せる専門家を育てるために一般社団法人 予防医療・栄養医学研究協会(NMR)では育成講座を開設しました。

育成講座は一般にある資格取得のための育成講座ではなく、予防医療を目指したい、予防医療に携わりたいと考えている医者・看護師・薬剤師・管理栄養士・健康運動指導士等の専門家を対象に考えています。この場合、全国規模になるために拠点をある一カ所に決めてしまうのは難しく、月一回曜日を決めてTV会議方式をとって全員参加型の勉強方式となっております。



これは講師が一方的に講義をする方式ではなく、全員が意見を述べ合う方法、具体的にはNMRの提携クリニック(笹塚クリニック:今年で33年目になる予防医療専門クリニック)が長年蓄積してきたデータを症例テーマにし、参加の各専門家からこの症例に対してどう対処したら良いか、どう考えたら良いかの意見を述べ合うアクティブラーニング方式で行います。

例えばあるデータに対し、医師の立場からこう考える、管理栄養士の立場ではこうするのが望ましい、看護師・薬剤師からのコメントや健康運動指導士の立場ではこのような提案をする等、全員が同じ症例に対して意見を述べ、最後には全員の共同作業での着地点と言える知識共有の解決策を導きだす事を目的としています。この勉強会を何例も行い、医師は管理栄養士の専門分野、健康運動指導士の専門分野が身に付く仕組み、また管理栄養士は病気の本体や仕組みがわかった上での食事指導ができるなど、共有知識が持てるようになるまで(もちろん診察は医師だけが行いますが)実践的アクティブラーニングを行います。


年に1~2回はある拠点に集まりスクーリングも行いますが、ある一定期間をマスターすると、笹塚クリニックの東京・北九州・明石のサテライト健診の現場で1日50名の健診実務に携わる実践的育成カリキュラムも用意しています。診察現場では医師しか関われなくても、その他のカウンセリング現場や体脂肪の現場には医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・健康運動指導士も関われる方式となっています。ローテーションを組み全ての現場を経験してもらい、オールマイティーな指導ができる専門家になってもらう資質獲得を考えております。

私たちが行う予防医学専門スペシャリスト育成は日本初の試みであり、予防を希望する方々に対し、多角的・多方面からの指導出来るスペシャリストに全員がなり、日本の今後の予防現場で活躍していける第一歩を提供するものです。



チームとしての組織


はじめての試みであるため、健康サゼッション組織もつくることを考えています。医の専門家、食の専門家、薬の専門家、運動の専門家というように専門分野が異なっていても、予防に携わる目的が同じであり、健康サゼッションができるまでの勉学カリキュラムをマスターしたことで、NMRの認定スペシャリストとして資格を与えます。


今後の展開


今後、予防医療の世界が大きく変わり、広がり、今よりも充実されると予測されます。社会保険の仕組みから外れた『自由診療』が増え、社会保険診療の元ではできなかった医療行為や、予防を謳う様々なヘルスケア産業の拡大が起こり、一大ブームが作られることが予測されます。

ヘルスケア産業が充実されることは望ましいのですが、日本国民は生まれた時から現在に至るまで社会保険システムに守られた健康管理が身に付いており、その反面、自己管理の力が身に付いていないことが考えられます。そこに目新しい健康管理の手法があれこれと登場してくると、何を選ぶかということよりも、載せられてしまい、あてがいぶちの健康管理を行うことになるのでは?これらの事が何を生み出すのか?ということが心配されます。

これらは自己管理の意識を遠のかせ、自主的な行動変容どころか、さらに受け身の健康管理を求めてしまい、その風潮に即した社会が作られることになるのでは?と懸念いたします。どうしても一大ブームをつくった考え方はサプリメント業界の無秩序な手法が頭に浮かび、サプリメントに代わる『モノ』が次々と市場に出てきても、ブームにあった背景と変わりないのでは?と思えてしまいます。

これらのことを想定すると、予防医療を仕掛ける側の仕掛け方法を間違えるとどういうことが起こるのか、さらなる病者を増やすことのないよう、責任をもって体に関わることが望まれ、体は生化学、生理学や栄養学などに守られた体づくりが重要であることを忘れないようにしないといけません。

そのために体に関して多角的・多方面的な知識を持った医師を中心とした専門家集団が求められると考えております。可能であれば全国的予防医療のセンターとなる研究組織、健康診査組織、生活指導組織、健康運動組織がまとめられた形態の組織ができ、統制された中で身体に関わることを求めていきます。


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